和歌劇作品紹介
「長屋親王」
脚本:菅沼 登
音楽:綱澤 僚・歌枕 直美
- あらすじ -
[第一部]
新生成った奈良の都。皇位に匹敵する様な高貴な血筋を持つ皇子・長屋親王の邸宅では、毎日の様に、国の内外から人が集まり、山海の珍味と音楽でもてなす宴があった。そこで旅芸人の一座が演じた 世界各地の音楽と踊りによって啓発された長屋親王は、海外との文化の交流によって日本を活性化しようと考え、「風月同天」の詩を刺繍した三千着の袈裟を遣唐使に託して世界に送り出した。
しかし、唐の玄宗皇帝からは、唐の国は道教を政治の中心においているので、長屋親王の提案には協力出来ないとの返答であったため、その計画は中断してしまった。
[第二部]
遣唐使が帰国して間もなく、長屋親王は奈良の帝の右大臣として政務に就いた。その頃、民の生活は苦しかったが、僧・行基は多くの民を動かして、困った人を助ける活動を行っていた。しかし、長屋親王たちは、仏教とは学問であり、朝廷が認定した僧のみが、それを教えるべきだと考えていたため、行基に活動を止めるように命じた。
その一方で、長屋親王は、仏教によって国の力を高めようと、長大な教典を書き写したり、各地に それを納める塔を建てていたが、突然、親王は何者かが仕組んだ陰謀によって、命を断たれた。帝は、社会の混乱を収め民の心を一つにまとめるため、金色に輝く世界一の大仏を造ることを決意し、それに不可欠な労働力を得るために、長屋親王に近かった僧・道慈を通じて、行基に協力を依頼した。
そして十数年に渡り、多くの民が大仏の建立に参加した末に、大仏は完成した。丁度そこに、インドの僧・菩提が仏教を広めるためにやってきたが、行基と菩提は、これぞ長屋親王の目指した、仏教によって国の違いを越えて巡り逢う縁だと言って、喜びの歌を交わした。
- 公演実績 -
2009年4月11日・18日 奈良・元興寺 極楽坊 本堂
2008年2月7日後半 うたまくら茶論
2008年1月10日前半 うたまくら茶論
登録商標について:「和歌劇」は株式会社うたまくらの登録商標です。