和歌劇作品紹介
「衣通郎姫
(
そとおしのいらつめ)
」
脚本:菅沼 登
音楽:歌枕 直美・綱澤 僚
- あらすじ -
昔々、ヤマトの国・明日香の宮に、オアサヅマ若子という大王がいた。オアサヅマ若子が 争い事を裁く際に盟神探湯という方法を導入したことにより、争い事が減り、人々は平和に暮らすことができるようになった。ところが、オアサヅマ若子の后・オシサカ大中姫は、自分が気に入らない者を勝手に処罰するなど、権力を乱用しようとした。
丁度その頃、田畑の稔りを感謝する祝宴で出会った衣通郎姫の、真の姿を見ようとする率直な心に惹かれたオアサヅマ若子は、オシサカ大中姫の嫉妬と妨害をかい潜って、衣通郎姫との密会を重ねた。
- 見どころ・聴きどころ -
物語の後半、大王オアサヅマ若子は、皇后のはげしい嫉妬を受けるほど「富や権力すべてを捨てる覚悟で、あなたとの一夜を過ごしたい。」と美しく純粋な衣通郎姫への想いを深め、衣通郎姫は「あなたがすべてをかけてくれる誠実な想いを信じて待ちます。」と詠みかわす歌『ただ一夜のみ』。2人の激しい想いが、時代を超えて生々しく伝わります。
- 感 想 -
☆このような生々しい人間の感情が、「古事記」に入っていることに驚きました。
★今も昔も、人の心は変わらないですね。后の“嫉妬”が怖かったです。
☆物語の世界にひきこまれ、オアサヅマ若子が、衣通郎姫に出会い「もっと早く出会えれば良かった。もっと早く。」と歌う場面が心に残りました。
- 公演実績 -
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