ピアノ物語

John Broadwood
ジョン・ブロードウッド


ベートーヴェンが弾いたピアノ

 
 ジョン・ブロードウッドはヨーロッパの中で一番古いピアノメーカーの一つで、ベートーヴェンも好んで弾いていました。約60年前ののアップライトでエリザベス女王献呈とも刻まれています。ちょうど修理を終えたころ、30年ぶりくらいのアップライトの調律を頼まれたS様のところに伺いました。大変思い入れのある大切なピアノとのこと。しかし、ピアノの蓋を開けていくと残念ながら調律できない状態であることがわかってきました。このピアノを手放すことを考え、次のピアノを探すべくピアノ工房にお越しいただきました。
ピアノを見ていただき象牙鍵盤が今まで持たれていたピアノと同じ、弾いた感じも大変まろやかな感じで気に入っていただけました。

 
 
 
 
 
 
 

お部屋に合わせる

 そして、ピアノが決まって、新たなスタートとしたときに、ピアノの外装の状態が昔のままで小傷、塗装の剥げなどがあったため、お部屋の雰囲気に合わせていったん塗料を剥離して、塗装し直すことが出来ます、と申し上げると全塗装しなおすことになりました。色見本としてお部屋に置いてあるソファーの木部をいただき、同じ色に仕上げることになりました。お部屋に合わせて塗装を仕上げ、黒鍵も象牙に合う黒檀に変更し、S様仕様のピアノとなりました。お届けの日今までのピアノとの別れをして、このジョン・ブロードウッドを迎い入れていただきました。お部屋の中は今までそこにあったかのような存在になっていて大変喜んでいただきました。