歌枕直美 友の会

うたまくら草子
歌枕直美の心から語りたい
vol.3 綱澤 僚

これまでアルバム制作で作曲/編曲を担当して頂いている、音楽表現上でのパートナー綱澤 僚さんにお話をお伺いしました。折に触れて、意見を交す機会の多い二人なので、今回はインタビュー形式で進めてみました。


■桃色が見えた
 
インタビュアー(以下▼) まず来年1月 リリース予定、サードアルバム『あさね髪』について、お二人にお聞きしたいのですが。制作後のご感想を。
 
綱澤僚氏(以下敬称略)上手く力が抜けて取り組めた、という感じですかね。1枚目は実際、お互い分からない部分が沢山ありましたからね。そして2枚目は1枚目で出来なかった部分に、取りあえず切り込んでいった。それが今回ともなると、自然とお付き合いも長くなるし、もちろんライブ活動も一緒にやったりして、歌枕さんの長所や自分自身がこのプロジェクトでやるべき事みたいなものが、かなり見えてきたという実感がありますね。
 
歌枕直美:私もそう思います。
 
 ▼とても美しいジャケットデザインですが。
 
歌枕:ありがとうございます。作品ができてスタッフの方々にまず音楽を聴いて頂きました。そして感じられるままに、このデザインになりました。私のイメージをはるかに越える作品で、本当に感激しました。
 
 
■オリジナル唱法
 
 ▼お二人が初めてお会いになられた頃の印象(あるいは第一印象)についてお聞かせ下さい。
 
綱澤:緊張しました。(笑)歌枕さんを観察する余裕はなかったですね。
 
歌枕:一般的に作曲家といわれる方は、威厳のある人が多くて構えていました。ところが、綱澤さんはとても普通、自然体で「期待外れ」(笑)でした。
 
 ▼その印象の時を経て、芸術家同士として組んでもいいかなと確信した出来事はありましたか。
 
歌枕:私の声を初めて聴いて頂いた、翌日、『三輪山』の曲が出来上がってきました。音楽を聴かせてもらった瞬間鳥肌が立ち、一生かけてこのプロジェクトをやり続けていけると確信いたしました。
 
綱澤:彼女の歌声は、お聴きの通り独特なんです。包み込むような、母のような声なんです。それに、音楽表現を追求されたなかで、編み出された「うたまくら唱法」としか形容できないような個性的な歌唱法。ベルカントはもちろん様々なジャンルの歌を研究されていて、その中からご自身でしかできない歌唱を編み出された姿勢にも打たれましたね。
 
歌枕 恐れ入ります。現在取り組んでいる作品は何といっても新しいジャンルの音楽なので発声についてもまだまだ試行錯誤です。
 
 
■お互いの領域へ立ち入る
 
 ▼歌枕さんは今回、作曲も3曲手掛けられていますね。
 
歌枕:綱澤さんをさしおいて、作曲したなんていうのもお恥ずかしい限りです。ピアノを何となく弾いていたら、突然できてしまった!それがタイトルになった『あさね髪』でした。
 
綱澤:得てして、メロディが出来るのは、ふとした瞬間だからね。構えて出来るより、自然体でいたほうが、良い結果が多いしね。だけど、歌枕さんが作曲家をされたから、私もライヴでは少し歌を歌いますよ。(笑)
 
歌枕:恐ろしい…(笑)
 
綱澤:まかせて下さい!
 
 
■リリース記念コンサート
 
 ▼アルバム発売に加え、先ほど出ました1/ にアルバム完成記念のコンサートがありますね。このコンサートにむけてのお考えをお聞かせ下さいますか。
 
綱澤:歌も歌わないといけないしプレッシャーが強いですね。(笑)
 
歌枕:アルバムを制作する。とても私一人の力で出来るものではありません。綱澤さんや様々な出会いから生まれた、かけがえのないご協力があるからこそ、完成する事が出来たと実感しています。その方々に加え、様々な角度でかかわっていただいているスタッフ全員が一同に会する記念コンサートですので私にとって特別な意味があります。だからいつもとはまた違う緊張感があります。
 
綱澤:この緊張感がたまらなくいいですね。
 
歌枕:そうですね。 
 
 ▼アルバム、ライブともに期待しております。有難うございました。
 
綱澤/歌枕 有難うございます。頑張ります。       
 
 

綱澤 僚 (つなざわ りょう)

1960年大阪生まれ。兵庫県在住。

1987年自宅スタジオ創設、フリーとして活動。

1987年「カンヌ国際映画祭」CM部門で銅賞受賞。

数々のコマーシャル音楽、テーマ曲を作曲、NHK「歴史街道」「ウィリアム・モリス」の音楽等を担当。歌枕直美ファーストアルバム「みやびうた」において新たな境地を開いた。

うたまくら専属作曲家。