歌枕直美 友の会
TVなどでもお馴染みの弁護士、三瀬顕先生の登場です。大きな笑顔で迎えて下さり、始終笑いの絶えない対談となりました。
■和菓子屋の娘?
歌枕直美:先生とお知り合いになって十年余り…。
三瀬顕氏(以下敬称略):そんなになるかいな。初めて会った日、たくさんの和菓子の箱を持っていたやろ?思わず「和菓子屋の娘ちゃうかっ」と思ったな。
歌枕:私にも娘の時代がありまして…(笑)。翌日、コンサートがあってスタッフの方々に渡すお菓子を持ってたんですね。
三瀬:ほんまに面白い人やと思たで。
歌枕:私も思いました。先生は面白い方だと!
三瀬:そうかいな。歌枕さんは花でたとえると梅やな。姿も香りも清らかな梅。
「梅一輪、一輪ほどの暖かさ」
そのうえ歌声聴いて、たまげたぞ「こりゃーうめーな」
歌枕:…(笑)。いつもそうなんですが、日常会話に常にユーモアと俳句が入ってくる先生のセンスに驚きと、新鮮な感動があります。ごく普通に俳句や和歌が出てくる背景は一体何なのでしょうか?
■わしゃ伊予産じゃ!
三瀬:生まれは愛媛の伊予。正岡子規、高浜虚子、種田山頭火など多くの俳人がでたところや。小学校の先生が俳句が好きだったから、自然に入ってきたんやな。俳句でも和歌でも言葉がものすごく美しい、無駄がない、そして、余韻があり想像力を豊かにする。歌枕さんの歌とつながってくるわけや。
歌枕:そうゆう世界は先生から教えていただいたと思っています。
三瀬:涙出るな。そりゃ有り難い。だから僕は講演の時でも、いろんな俳句をまぜながら行っている。何故なら、俳句でも何でも共通しているのは「感動」やからな。
歌枕:そうですね。ところで情感の世界にいらしたのに、何故、法律の世界にとびこめたのでしょう?
三瀬:これは偶然。親がいなくなって孤児になり、禅寺に拾われ、中学高校はお寺から行かせてもらい卒業して東京に飛び出した。ある先輩との出会いから働きながら中央大学の夜学に入った。出会いというのはものすごい影響を持ってるな。
歌枕:そうですね。
三瀬:文学部に行くつもりが弁護士になってしもて。まあ、国語力が根底にあったから良かったと思とるよ。理解力、読む力があったから試験にもすぐ受かったしな。それに小さいときから身につけた体力と集中力も役に立った。
歌枕:法律と情感とのバランス感覚が、先生の個性をより光らせておられますね。
■龍虎、手を結ぶ
三瀬:ある書き物がたまっているときに「あさね髪」をかけた。まず、せわしない気持ちから解放された。そしてホッと一息つき頭が切り替えらた。今度は、すごく仕事に集中できる。普通は仕事中かける音楽は声があったらじゃまになるけど歌枕さんの歌は違う。
歌枕:どう違うのでしょうか?
三瀬:自然の中から出てくる「音」「風」「光」そして「そよぎ」というところかな。
歌枕:自然とそういう音楽になってしまったのですね。
三瀬:はやりの言葉だけれど「癒し」やな。歌枕さんの人間的な豊かさと、美しい歌声。正直言って独占したいけどやっぱり独占したらいかん。多くの人に聴いていただきたいと思うよ。
歌枕:ありがとうございます。
三瀬:今年は年男でな(龍年)。そのうえミレニアム、皇紀二六〇〇年の生まれ、全く運がいいと思うよ。歌枕さんは虎やろ。龍と虎が手を結ぶと強いぞ。何と言うても
龍虎 やからなっ。
歌枕:そうですね。じゃあ先生とデュエットで相聞歌を歌いましょうか!
三瀬:そりゃ聴かれた人はあまりもの美しさにたまげるぞ!(笑)
歌枕:…(笑)。
三瀬 顕 (みせ あきら・俗称/みせ けん) | 昭和15年、愛媛県生まれ。弁護士。 大阪市内に「三瀬顕法律事務所」を開くかたわら、「NHKバラエティ生活笑百科」(NHK)のテレビに出演するなど、幅広く活躍中。 著書は『男と女の法律マニュアル』(主婦と生活社)、『暮らしのトラブル100問100答』(PHP)他がある。 |
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