歌枕直美 友の会
2007年~2009年の3回ポーランドコンサートツアーにて、公演を開催していただいたポズナンにある古城ホールの文化企画のテレサさんにお話しをお伺いしました。
■イマジネーション
歌枕直美(以下歌枕):今年もお世話になります。テレサさんのお顔を拝見すると、帰ってきたって感じがいたします。
テレサ・ノバック(以下テレサ):今年もお世話になります。テレサさんのお顔を拝見すると、帰ってきたって感じがいたします。
歌枕:今年もお世話になります。テレサさんのお顔を拝見すると、帰ってきたって感じがいたします。
テレサ:ここポズナン生まれです。
歌枕:音楽を学ばれてこられたのですか?
テレサ:はい。音楽家であり、舞踏家です。
歌枕:音楽大学で教えられていらっしゃるとお伺いしましたが、具体的にどのような授業をなされているのでしょうか。
テレサ:音楽をリズムを、動きとして伝える、表現することを行っています。リトミックの科目は、音楽大学でも、劇場でも、必修科目となっています。
歌枕:音をリズムを体で感じ、表現する。重要なことですね。学生さんは、いかがですか?
テレサ:はい。この10年を見ると、いろんなことが進化し近代化され、コンピューターが普及し、イマジネーションが退化してきているように思います。
歌枕:そうですね。すべていろんなものが画像で見えてしまい、イメージするということが少なくなってきていると、私も感じています。テレサさんは、これからどのような教育をなされたいですか。
テレサ:これというアイデアはないのですが、挫折させるわけにはいかないので、即興を重視して指導していきたいと思います。
■共産主義時代
歌枕:共産主義時代からの変化はありましたか。
テレサ:今は自由があります。共産主義の時代には、いろんなことにおいて制限されていました。皆が闘っていました。
歌枕:どのように闘われていたのですか。
テレサ:ストライキや行列など、私はあまり参加したことはありませんでしたが、その厳しい中で、私たちは音楽を通して闘っていました。だから今、独立をして自由になりました。
歌枕:「自由」という言葉は重く深いですね。
テレサ:はい。共産主義を否定することはできませんが、いつも心の中には、音楽を表現する中には、自由を持っていました。
歌枕:テレサさんは、その共産主義時代に、どこで音楽を学ばれたのですか?
テレサ:ロンドンへ留学をしていました。
歌枕:ロンドンはいかがでしたか?
テレサ:楽しかったですよ。はじめ英語を学ぼうと思っていましたが、様々な国から留学してきた人が集まっていたので、英語はきれいではありませんでした(笑)
■古城ホール
歌枕:ここポズナンザメックの古城ホールでは、テレサさんがいろんな企画をなされているとお伺いしました。
テレサ:ここの仕事をはじめて10年になります。
歌枕:この場所に、いろんな芸術家の方が訪れて、テレサさんのお仕事は、それをサポートする仕事になりますか?
テレサ:はい。音楽大学の学生の公演を行ったり、海外からのアーティストに会場を提供したりしていますが、もっと公のためにこの場所を提供できるようにしていきたいと思っています。
歌枕:昨年、お部屋をお借りしたときに、さりげなく机や部屋の片隅を、テーブルクロスや落ち葉で演出していただいて、そのテレサさんのセンスに感激しました。
テレサ:テーブルの装飾は、家庭の雰囲気を作るように飾りました。喜んでいただけて嬉しいです。
歌枕:今日もコンサートをさせていただいて、感謝しています。
テレサ:日本の芸術をポーランドへ持ってきてくださって、嬉しいです。
今年の「オオナムチ」は、去年よりさらに体を使っての表現も加わって、オリエンタルの要素が増えて、とても素晴らしかったです。これからも頑張って公演活動を続けてください。
歌枕:3年前にポーランドへ来させていただいて、こうしてポズナンを中心に活動をさせていただいていることに縁を感じます。これからも宜しくお願いいたします。本日は、貴重なお話しをありがとうございました。
Teresa Nowak (テレサ・ノバック) | 音楽家、振り付け師、教育理論者。 音楽高校とポズナン音楽大学で、音楽とその体での表現を教えている。また、コンサートの企画者として、近代音楽のワークショップやフェスティバルにおいて、ダンスと音楽を融合させる芸術劇場活動を行っている。 CK Zamek のクラシック音楽イベントマネージャー。 |
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