歌枕直美 友の会

うたまくら草子

「歌枕直美 友の会」の会報誌として活動情報を年3回にわたってお届けしているのが「うたまくら草子」です。本誌はライヴ情報を始め、会員の方々からのあたたかいメッセージ「たまゆら」や、ライブに携わっていただいたスタッフの声、また、毎回大変ご好評をいただいている「歌枕直美の心から語りたい」のコーナーでは、素敵なゲストの方と歌枕の対談がお楽しみいただけます。その中から「歌枕直美の心から語りたい」「たまゆら」「友の会 会員紹介」をお届けいたします。
 

友の会 会員紹介

75号 Interview vol.16 

加藤 正人

~ベヒシュタインジャパン社長・ピアノ製作マイスターとして本物の音の響きを追求~

73号 Interview vol.15 2020年1月

吉村 まり子

~チラシデザイン・歌枕さんの魅力をベースに、かつ美しくドラマティックに…~

72号 Interview vol.14 2019年9月

猪谷 勇三

~日本人としてのアイデンティティー・本物の素材で人の心に優しい「木の家造り」~

71号 Interview vol.13 2019年4月

渡辺 千昌

~古事記をテーマに創作バレエ・歌枕の「古事記」公演に子供たちが賛助出演~

69号 Interview vol.12 2018年9月

伊藤 紘一郎

~歌枕直美プロデュース 伊藤紘一郎 八十路の青春「80歳記念ソロリサイタル」~

68号 Interview vol.11 2018年5月

竜門 陽子

~大阪府学校歯医会広報誌「府学歯報」にて、やまとうたを発信!!

67号 Interview vol.10 2018年1月

松田 千恵

~二上山・河内支部長として、毎年の公演実現へとパワフルにご活躍~

66号 Interview vol.9 2017年10月

阪本 美栄子

~歌枕のコンサート衣装を担当として、堺・和泉支部長としてご活躍~

65号 Interview vol.8 2016年5月

天野 智加志

~小國神社古式舞楽にかかわって35年、日本文化の継承を担う人になりたいと活動~

64号 Interview vol.7 2016年1月

武藤 佑吉

~井伊家の菩提寺 龍潭寺 執事長を務められ、奥浜名湖観光の企画・陰の立役者~

63号 Interview vol.6 2015年9月

金子 明美

~18年にわたり歌枕直美の「やまとうた」・「和歌劇」の舞台衣装デザインを担当 ~

62号 Interview vol.5 2015年5月

河中 千佳子

~古民家を再生活用したカフェ&ギャラリー“光風堂”を運営・日本文化を発信!~

61号 Interview vol.4 2015年1月

浅野 昭博

~ドイツとの関わり47年。2014年10月にミュンヘンでの「やまとうたコンサート」を開催~

60号 Interview vol.3 2014年9月

原田 英兒

~歴史とロマンあふれる遠州森町の地で、高齢社会に重要地域事業・介護老人保健施設を開設~

59号 Interview vol.2 2014年5月

高橋 正実

~ピアニスト・作曲家・音楽教員として、自分の音楽を地元地域の方々に役立てたいと活動~

58号 Interview vol.1 2014年1月

杉山 富士子

~沼津商工会議所 女性会会長~

 
 

 
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Interview vol.16  加藤正人(東京都八王子市)
~ベヒシュタインジャパン社長・ピアノ製作マイスターとして本物の音の響きを追求~

ピアノ調律師・マイスターになられたきっかけは?

高校で進路を考える時、学校案内で国立音大の調律科を知りました。理系のクラスにいたんですが、子供の頃ピアノをやっていて音楽が好きだったので、履修案内にあったピアノの設計に大変興味を持ったことと、自分は音感が(歌は下手です)良いのでは?と思う場面があったので、もし受験してとってもらえるようなら調律師になりたいと親に相談し進学しました。その後、ドイツ製のピアノの音色に出会い、なぜこんなに良い音がするのかと感動し、伝統的なドイツで製造そのものを勉強したいと思いました。大学の恩師で、日本人初の女性ピアノ製作マイスターの方に感銘を受けたことが目標になり、ベヒシュタイン社で製造を学び、ピアノ製作マイスターとなりました。

■歌枕と出会った時の印象はいかがでしたか。

文字通り音楽で遊んでいらっしゃる方だ、と感じたのを覚えています。調律師なのでピアノの方と会話することが多いのですが、皆が遊び心があるわけではないな…と感じます。楽しいからアイデアが生まれ、その表現に人は感動すると思うのですが、歌枕さんの魅力の核は遊ぶ気持ちだと思います。また、歌枕さんの「明日香風」CDの録音で仕事を一緒にさせていただきました。声楽やピアノ以外の楽器の方は特に、全体の響きを大切にしてくださるのでご自身が所有なさるベヒシュタインのアップライトでの音造り・響き造りを、ホールでの録音で実現なさりたいんだ、という事を録音を通して感じました。

■歌枕の音楽に思うことは?

歌枕さんは、日本の万葉集や古事記などの作品の音源に、クラビコードやフォルテピアノ、そしてベヒシュタインピアノなど生楽器の響きを使われています。日本と西洋の本物どうしを融合されていることを、とても意義深く感じ共感します。イミテーションのものには人は飽きてきますが、本物は人に感動を与えます。歌枕さんの音楽は、人の心に残る音楽だと思います。

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Interview vol.15  吉村まり子(大阪府大阪市)
~チラシデザイン・歌枕さんの魅力をベースに、かつ美しくドラマティックに…~

グラフィックデザイナーになられたきっかけは?

小さい頃から絵を描くことが好きで、あちこち落書きをしているのを見かねて小学生の時に、母が絵画教室に通わせてくれました。また、絵を描ける公立高校があると知り、幼稚園の時からそこを目指していました。無事合格し、美術学科のため、デッサン、油画、日本画、彫塑…と、ファインアートの勉強をし、このまま絵を描き続けたかったのですが、家庭環境から「これからは自分で食べていけないとダメだ」と決心し十七歳でグラフィックデザインへ方向転換しました。大学進学後、授業だけでは物足りなく、バイトの形でデザインに関わる仕事を探しました。例えば、中小企業のデザイン部門に入り、縫製グッズのパッケージデザインに関わったり、ファンシー雑貨企画の事務所に入り、イラストレーションやレイアウトをしたり、その中で、現事務所にバイトで入り、現在に至っています。

■歌枕と出会った時の印象はいかがでしたか。

お仕事でお世話になっているヘアメイクの三橋さんからのお話で写真撮影やチラシを…とお誘い頂き、歌枕さんを知りました。お仕事での打合せでしたので、事前にYouTubeやネット情報を見ており、それだけを見ると、キリっとしておられたので、ちょっぴりコワい人だったらどうしよう…と思ったりもしましたが実際にお会いすると、舞台となれば凛とした真剣な空気、お話しすれば笑顔が人の心を吸い寄せる魅力的な方だな〜!と思いました。また、オペラの世界をあまり知らない私が聞いても、歌声が素敵で聴き惚れました。

■「音絵巻」などの公演チラシデザインのポイントは?

ひとめ見た時から、ストーリーへの想像力や、人物への知的好奇心が刺激され、それぞれのお客様の心の中で、妄想や好奇心が展開するようなビジュアルにしたいと思っています。ですので、歌枕さんの魅力をベースに、ストーリーの全てを晒さず、かつ美しくドラマティックに…と心がけております。歌枕さんの姿を通して、登場人物たちを感じていただければ幸いです。

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Interview vol.14  猪谷勇三(大阪府)
~日本人としてのアイデンティティー・本物の素材で人の心に優しい「木の家造り」~

歌枕との出会いは?

ずいぶん前になりますが、タイムドメインのスピーカーを所有しており、そのユーザーニュースで歌枕さんを知りホームページを拝見し、茶論コンサートに参加させていただいたのが出会いです。また、地域活動として、数年前より工務店の一階を利用し、本の貸出しなど「まちライブラリー」を開設しています。その活動の一環として朗読会を行っており、偶然にもその朗読者が歌枕さんのお母様であったなど、不思議なご縁をいただいています。

■建築のお仕事へのこだわりについて

父が工務店を経営していましたので、その仕事に憧れて一級建築士になりました。二十五年くらい前より、一般的な建築でなく、本物の素材で人の心に優しい木の家造りにこだわっています。最近は、日本的な家が少なくなってきまして、何でもありの街並みで、日本人としてのアイデンティティーが感じられなくなりました。またこの頃は化学的な人の身体に良くないものも多く使用されていますが、私は漆喰など天然の素材を昔ながらの伝統的工法で施工し、人に優しい家造りをおこなっています。

■京都・無名舎でのコンサートをお聴き頂いて

昔からの建物、土の壁の中での歌枕さんの公演は、とってもあっていると思いました。無名舎の持つ雰囲気、小スペースでの空間で聴かせていただく歌枕さんの和歌の世界を、楽しませていただきました。私自身も、新しい建築に古い建具など古い家からはずしたものを利用するなど、「命をつないでいく」ことを考えており、新しい物と古くからの物の融合に、より一層共鳴しました。

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Interview vol.13  渡辺千昌(静岡県)
~古事記をテーマに創作バレエ・歌枕の「古事記」公演に子供たちが賛助出演~

バレエスタジオをはじめられたきっかけは?

踊ることも好きでしたが、創作することの面白さに目覚めていました。こどもが大好きだったこともあり近所のこどもたちと遊びながら始めたのがきっかけで教室となり、いつの間にか生徒が増えスタジオを構えることになっていました。昔こどもだった生徒も立派に成人し、社会人となりアシスタントを務めるまでに成長してくれました。若い感性を積極的に取り入れながら新旧各々の良さを融合させた舞台創りが若い人たちと一緒に出来たらと願っています。

古事記をテーマにされたバレエについて

日本の神様の物語りに興味があり、いつか古事記などに纏わる舞台創作をしたいと考えていました。創立十五周年の記念公演に『日本の神様のおはなし』をやろうと閃き、古事記をひもとき、バレエでの身体表現にチャレンジしました。まさに、バレエでの『日本の神様のおはなし』を創作段階の時期に、小國神社で催される歌枕直美さんの「古事記」の和歌劇のポスターを拝見し、これは!と思い、即小國神社へ。その鈴の鳴るような高貴な歌声と表現力に魅了され、すぐにファンになりました。

和歌劇「古事記」公演に、子供たちが賛助出演

こどもたちが実際に舞台で歌いながら踊らせていただいた曲でしたので、こどもたちは「まさか!?あのCDの中の歌姫の生歌で踊らせてくださるなんて嘘みたい!」と喜んでおりました。夢のような出来事でとても贅沢な時間を過ごさせていただきました。改めて歌枕さんの懐の大きさに感謝しておる次第です。歌枕直美さんのお人柄にも惚れ込み、静岡県内での催事には出来る限り脚を運ばせていただいております。

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Interview vol.12  伊藤紘一郎(兵庫県)
~歌枕直美プロデュース 伊藤紘一朗~ 八十路の青春「80歳記念ソロリサイタル」~

地元の活性化運動に力を注がれていますが?

退職後、地元 大塩町(姫路)の自治会長・公民館長を務め、「のじぎく群落復活活動」をはじめました。大塩はもともと日本一ののじぎく群生地と言われており、私も子供の頃に見ていた、一面に白く咲き誇った風景を記憶しています。しかし戦後の塩田閉鎖や農業離れにより山畑は荒廃し、ノジギクも姿を消しました。それを地域の人たちとの絆を深め、「のじぎくの町大塩」復活のため活動。また小中学生にも自分たちの町への誇りをもってもらえたらと、一緒に苗を植えるなど参加をしてもらい、毎秋、美しいのじぎくの花が咲くようになりました。

■歌枕との出会いは?

退職して間もない頃、歌枕先生との出会いは、息子に連れられてピアノ工房での企画に訪れたことからでしたが、万葉集のコンサートや和歌劇公演など、歌枕先生独自のここにしかない世界を築かれていることに大変感動し興味を持ちました。また、もともと音楽にあまり縁がなかったのですが、仕事でインドネシアに赴任していた時に、言語を覚えるのには歌を覚えるのが近道と聞き、インドネシア民謡を歌っていました。日本に帰って来て、そういう機会がなくなり心寂しく思っていたところ、歌枕直美音楽教室に入会し、発声練習、万葉の独唱を学び始めました。今では生き甲斐となっております。

リサイタルにむけていかがでしょうか?

「八十路の青春」という言葉に出会って、今からでもはじめられると七十二歳で歌を始め、いよいよ今年十月に八十歳になります。歌枕先生より八十歳記念にリサイタルをしてはいかがですか?と目標を示していただき、十月二十七日八十歳記念のソロリサイタルを、大阪の綿業会館にて開くことになりました。約一年前から準備をはじめ、歌枕先生のプロデュース・ご指導のもと、万葉集、日本の歌、ドイツリート、ミュージカル、オペラ、インドネシア民謡と、歌わせていただきます。今、まさに青春。毎日緊張しながらも、歌枕先生の叱咤激励ににより学ぶことの楽しさを味わっています。

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Interview vol.11  竜門陽子(大阪府)
~大阪府学校歯医会広報誌「府学歯報」にて、やまとうたを発信!!

歯科医になられたきっかけは?

高校二年生まで音楽で大学に進むつもりで勉強していたのですが、夏休みに父の歯科医院の受付の手伝いをし、その時に普段家で見ることのない患者様に接する父の姿を見て、自分もその世界を知ってみたいと思い方向転換しました。その後、音楽から離れていましたが、大学を卒業し父の歯科医院で働きだした頃に、大阪のCDショップで偶然に歌枕さんの「みやびうた」CDを聴き衝撃を受けました。歌枕先生の曲を楽譜にしてみたり、自分もまねて曲を作ってみたりしました。

■歌枕との出会いは?

「みやびうた」を聴いてから十年くらい経った頃、大阪府学校歯医会の広報誌「府学歯報」の編集を担当することになりました。連載を依頼され、その時に歌枕先生の「みやびうた」が頭に浮かび、せっかく連載するなら好きなことを書こうと、歌枕先生に連絡をして許可を頂き、万葉集 英語に訳して親しもう「みやびうた~海をこえ、彩る言の葉」と題し、毎号 歌枕先生のCDにある曲を一曲選び、音楽とともにコラムを書いています。この事がきっかけとなり、歌枕先生に直接お会いすることができました。茶論コンサートではじめて、身近に生で歌を聴かせて戴いた時、音の震えにとても感動しました。また、歌枕先生のお人柄にも触れより好きになりました。

■「やまとうた」を歌ってくださっていかがでしょうか?

「やまとうた特別セミナー」を受講し、音楽教室発表会などで歌わせていただいています。歌枕先生の曲へ寄せる思いなどのお話を伺い、また自分でも意味や背景を考えて歌うなど、今までと違い、より深く外から中に入った感じがしています。歌枕先生と出会い、またうたまくらに集まられる皆様との出会いにより世界が広がりました。音楽も万葉集も、勉強としてするのでなく、日常生活に入ってきているのがとても嬉しいです。十年前には考えれなかった展開で、「何でもやろうと思った時にやらないと逃すことが多い。」と思っています。

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Interview vol.10  松田千恵(大阪府)
~二上山・河内支部長として、毎年の公演実現へとパワフルにご活躍~

■歌枕との出会いは?

音楽教室に入会し数ヶ月後の発表会のホールで、歌枕先生にはじめてお会いしました。出演の皆様一人一人にお声がけされており、とても優しく腰の低い先生だと感じました。その翌月、記紀・万葉集を題材にした「やまとうたセミナー」のご案内をいただき、さっそく参加させていただきました。歌枕先生が歌われている「悲歌~二上山によす~」に出てくる二上で育ち、また歌好きでしたので、私自身の大切に思う2つ二上山と歌が、歌枕先生の元でつながりました。 

■當麻寺・枚岡神社とご縁を結んでいただいて

二上と近い香芝にある奥村先生の料理スタジオで歌枕先生が公演をされたので友人や家族を誘って行かせていただきました。公演の後、二上山をご案内し、麓にある當麻寺奥院をご紹介し、それがきっかけとなり和歌劇「大伯皇女」「中将姫」などの公演が実現しました。また、古事記を題材にした和歌劇の会場を検討されているというお話を伺い、地元の氏神様である河内の国一の宮 枚岡神社は、神武天皇ゆかりがあるところとご紹介させていただき枚岡公演が実現。偶然か必然か、歌枕先生の公演活動に最適なところにご縁を結ぶことができました。

■二上山・河内支部長として

當麻寺・枚岡神社でと地元での公演を応援させていただくことを生き甲斐に感じています。はじめにご挨拶をさせていただくので、毎回このおばちゃんかと思われている方もあるかもしれませんが、回を重ねてお越しくださるお客様が増えて、皆さん毎年楽しみに待っていてくださいます。これからも続けて応援させていただきたいです。

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Interview vol.9  阪本美栄子(大阪府)
~歌枕のコンサート衣装を担当として、堺・和泉支部長としてご活躍~

■歌枕との出会いは?

知人と歌枕さんの衣装等を担当されていた岡本さんとが知り合いで、歌枕さんの衣装縫製をする人を探されているということでご紹介頂きました。その時に、はじめて歌枕さんの音楽を聴かせていただいたのですが、知っている和歌なのに、音楽にしたらこのような世界になるのかと、驚き感動しました。はじめて「明日香風」の曲を聴いた時は、その後ずっと口ずさんでいました。(笑)また歌枕さんとはじめてお会いした時に、大阪弁ばりばりの人情味あふれた人柄に親近感と、人を引き込む雰囲気に魅力を感じました。

■デザイナーとして

子供の頃から、美術やアートの世界が好きで、大学の時にファッションに進みました。この道が好きで、一筋にやってきました。今は、洋服のデザインはもちろんのことですが、着物のリメイクも行っています。洋服の生地と着物地をミックスした様なものや、眠っている着物を生かして、洋服としてデザインして仕立ています。日本の良い物を、気軽に着ていただければと思っています。

■歌枕のコンサート衣装を担当して

今、歌枕さんの衣装を担当させていただいて、その創作の世界にかかわらせていただけることを、大変嬉しく思っています。最初に思い浮かぶのと、実際に作って行く間にどんどん変化して行くので、大変な部分も有りますが、それが面白い部分でもあります。歌枕さんの舞台は、音楽だけでなく映像など視覚的要素も融合させて作品の世界を創り出されています。衣装もその一部分なので、みなさんのご意見をいただきながら、洋と和をミックスした衣装を作って行きたいと思います。歌枕さんには、この独自の道を進み続けてほしいと願っています。

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Interview vol.8  天野智加志(静岡県)
~小國神社古式舞楽にかかわって35年、日本文化の継承を担う人になりたいと活動~

■小國神社古式舞楽との出会いは?

今は日本文化どっぷりですが、はじめは仏教に興味を持ち、そこから茶道の世界に入りました。そして、仕事の関係で森町からいったん外に出て戻って来た時に、どこにでもあるものだと当たり前に思っていた舞楽が、東日本に数カ所しかなくそれが森町にある特別なことだと知りました。何百年もの間連綿と続いている地元の舞楽継承を担う力になりたいとの思いでかかわり始めて三十五年になります。現在は小國神社古式舞楽保存会員として、子供たちの舞楽稽古、装束の管理などを担当しています。お茶や雅楽(舞楽)は大陸から伝わり、日本人の細やかな感性によって薫り高い伝統文化・日本文化として育まれてきました。

■古事記とのかかわりは?

古事記は我が国で生まれた純然たる私たち日本人の文化で、日本人のアイデンティティを伝えるものだと思います。この神話の世界を人々に伝え理解してもらいたいと思っていました。造形作家のたたらなおき氏制作の古事記造形物と古事記絵巻を使って子供たちに読み聞かせをしている会の活動にも協力してきました。そんな中、歌枕さんの古事記のポスターを偶然見た時に、声楽にのせて古事記を歌うとは面白い!、こうして伝える方法があるのかと興味を持ち、公演を聴かせていただきました。とても感動し、新しい音楽の創造だと思いました。

■やまとうたの魅力とは?

やまとことばを音で表現し肉声で歌う、楽器よりも何よりも声は勝ると感じます。山部赤人の「富士」の和歌を三分くらいの音楽で表現して歌枕さんが歌われると、書いたものを見るだけでは伝わらないものが伝わってきました。戦後、人々が失ってしまった日本人の誇り・魂を、復活させなければならない、日本人の精神を伝えて行くのが私たちの役目、ぜひ応援させていただきたいと思います。

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Interview vol.7  武藤佑吉(静岡県)
~井伊家の菩提寺 龍潭寺 執事長を務められ、奥浜名湖観光の企画・陰の立役者~

■龍潭寺に入られたきかっけ

生まれは東京ですが、昭和20年の大空襲をさけるため疎開していて命拾いをしましたが、両親を失いました。そして、9歳の時に寺にもらわれました。敗戦の激動の時代を生きた人は、多かれ少なかれ辛酸をなめています。生かされた命を大事にし、一生懸命修行をしました。お経を習い、掃除をし、その根底にあるのは、「忍耐」「我慢」ですね。普通の人生を送る人より、親元ではできない体験をし佛飯を頂いたことが、かけがいのないものとなりました。

■奥浜名湖観光の陰の立役者

JRで企画交渉の仕事を担当している中で、相手の言い分、自分の考え、世の中の現実、どこで接点を見いだすかが重要と思いました。仏教は大衆を導く、どんな立場にいても人のためになることが仏の教え。また諸行無常が世の中の真理、絶えずその変化を見つめて何が必要かを考えます。そして奥浜名湖をどうやって宣伝するか、湖北五山を率いるためにも、龍潭寺もレベルアップをし続けないといけない「自己革新」が必要です。古くからのものを大事にしながら、新しいものを取り入れて「変化への対応」をしなければならないと思っています。

■井伊家唯一の女性地頭「直虎」

大河ドラマのことは全く知らなかったのですが、今年徳川家康顕彰四百年の年にあたるので、何か記念の催しをと考えました。その時に、当主の一人娘が激動の時代をみごとに生き、井伊家を次の時代へつないだということは物語になると思い、ぜひ歌枕さんに和歌劇「直虎」を演じていただきたいと思いお話をし、今年九月に実現し大きな反響を得ました。そして「直虎」は再来年に向けて、浜松市全体でPRを行っていくことになりましたが、浜松のみでなく静岡全体にネットワークをひろげ人がつながりを持ち、盛り上げて行こうと思います。またご協力をお願いします。

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Interview vol.6  金子明美(千葉県)
~18年にわたり歌枕直美の「やまとうた」・「和歌劇」の舞台衣装デザインを担当 ~

■歌枕直美との出会い

18年前、ギャラリーでメイクイベントを開催した時に、画家の山下和さんと出会い、その時に歌枕さんのお話をお伺いしました。以前より「舞台メイク」にも興味を持ってたので、すぐに歌枕さんにお会いしにいきました。そして生まれてはじめて聴いた音楽に、すごく感動しました。クラシックも万葉集も歴史も、あまり縁がなくわからないのに、新しい世界の魅力を感じ、その週末に東京であった歌枕さんのコンサートのメイクを担当させていただきました。

■舞台衣装づくり 

2枚目のCD「明日香風」を録音されている頃に、「音からも見た目からも、その世界が演出できたらいいですね。」と雑談で気軽に話したら、歌枕さんより「じゃ、作って。どんなイメージ?」と聞かれ、「着物の様な・・・。」「ドレスの様な・・・。」「袖がある・・・。」などと、たわいもない会話の中からインスピレーションが生まれ、「明日香風」リリースコンサート用の衣装が誕生しました。その後も、音からイメージを連想して、デザインを考えてきましたが、もともと服飾の基本を学んでいなかったので大変でした。でもその都度、歌枕さんのイメージををお伺いし、いろんな方の力をお借りして、続けてくることができました。

■これからの目標は?

はじめて聴いたとき、この世に二つとないものと思った歌枕さんの世界がどんどん確立されてこられ、総合芸術舞台を作り上げられています。その中で、衣装も音楽を引き立てるためのひとつです。古き良き物を大切にしながら、いつも新鮮さを意識して創作して行きたいと思います。また、日本人の美意識、精神を誇りにして、海外にも伝えたいし、現代の人にも思い返していただけるような衣装を、喜んでもらえる物を作っていきたいです。

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Interview vol.5 河中千佳子(山口県)
~古民家を再生活用したカフェ&ギャラリー“光風堂”を運営・日本文化を発信!~

■2015年3月「光風堂」1周年

新しい場所を探している時、ある方から「疎水沿いの道を歩いてみたら」と言われ、この家と出会いました。それまで古民家の再生を考えていませんでしたが、朽ちかけていた家をみて「ここに光と風を入れないといけない。」と感じ、協力してくれる仲間たちと一緒に、漆喰やペンキ塗りなどの修復工事を行い昨年3月にオープンしました。

■作家の方々との縁 

作家の先生方とは、今までの仕事の中でその時々に出会っていました。光風堂の立ち上げのお話をしたらぜひにと言って下さり、展示させていただいています。先生方の作品は、この場所にぴったりで、不思議なご縁を感じます。お一人、お一人素晴らしい才能をもっていらっしゃます。それを競うのではなく手をつないでいけたら、もっと大きなことができるのではないかと考えています。

■歌枕との出会い

オープンの準備をしている時期に、岩国のピアニスト高橋正実先生より、大阪にあるうたまくらピアノ工房で新生された90年前のフッペルピアノとの出会いについて伺いました。その時、直感的に高橋先生にとっても光風堂にとっても必要な楽器だと思いました。そして、歌枕直美さんと出会いました。小スペースでコンサートをされる方ではないのに、「会場の大きさではなく、古事記・万葉集を、日本の文化を音楽を通して伝えて行きたい。」とのお話に感動し、「光風堂一周年記念コンサート」をお願いしました。

■これからの目標

岩国は観光地で光風堂のすぐ側には錦帯橋があります。地元の方だけではなく、いろんなところからのお客様がお越し下さり、海外からの方もありますので、日本を、そして新しい物作りをして発信して行く場所としていきたいです。

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Interview vol.4  浅野昭博(ドイツ・ミュンヘン)
~ドイツとの関わり47年。2014年10月にミュンヘンでの「やまとうたコンサート」を開催~

■ドイツとの出会い

ドイツと関わりは、47年になります。高校時代に語学選択でドイツ語なら一番になれるかも?と思ったのがはじまりです。その後、大学でドイツ文学を専攻、卒業後はドイツ系の会社に就職しました。その間、ドイツ人女性と結婚。途中、ミュンヘン本社勤務7年間の時期もあり、定年後は、妻の希望もありドイツで暮らしています。

ドイツ人と日本人の働き方の違いはありますか?

ドイツ人は仕事に対する集中力が素晴らしく、業務分掌が明確で自分の責任分野がはっきりしている点が良いと想いました。逆に、日本人と違って、別の人の仕事をサポートをするという体制は希薄でした。

■バイエルン独日協会

定年後、ミュンヘンでの生活がはじまり、何かやりがいの持てることをと考えている時に、バイエルン独日協会との出会いがあり3年前より参画しました。1961年に設立され、現在ではドイツ人と日本人を合わせて約800人の会員数で、ドイツ国内最大の独日協会です。ここでも自分の発案した企画は、一人で責任を持って開催にむけてすべてを準備することになっています。

ミュンヘンでの「やまとうたコンサート」

コンサートについてのメールをいただき、ホームページ、ユーチューブで歌枕さんの活動と音楽にはじめてふれ、歌枕直美様の透き通る声音、そして心のひだに入ってくる日本語の響き、今までの西洋音楽とも日本の音楽とも異なるタッチで、このような世界があるのを初めて知り、お手伝いさせていただきたいと思いました。そして「やまとうたコンサート」は、会員の皆様にとても喜んでいただけたと思います。またコンサートを通して、改めて日本人の原点を感じさせられました。日本は歴史のある国なのですね。堂々と日本人として、しっかり生きていこうと思いました。

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Interview vol.3 原田英兒(静岡県)
~歴史とロマンあふれる遠州森町の地で、高齢社会に重要地域事業・介護老人保健施設を開設~

■森町での介護老人保健施設開設

私は、長い間医療・福祉・介護のコンサルタントとして事業者を代行して老人保健施設や特養等の開設のお手伝いをしてきましたが、ある病院の開設準備をしているときに、その法人役員の方から、「私たちが応援するので今度はあなたが森町に介護老人保健施設を作って運営してみませんか」と、お誘いを受けました。介護保険の事業は、高齢社会の進展で益々地域に必要な事業であり、求められるならと現理事長の山本医師と協力して、平成十七年の春に介護老人保健施設「風の杜」を遠州森町の地に開設させていただき、今年は十年目に当たります。介護保険は来年四月改正の時期を迎え、介護サービスの経営環境は様々な難しい時期を迎えますが、七十歳までは、仕事を続け後継者へとバトンタッチしたいと思っています。

歌枕直美・和歌劇との出会い 

平成二十四年に「風の杜」の施設長が体調を崩されたので、新たな医師を探しているときに、菅沼先生を、元の会社の代表者より紹介されました。そして、菅沼先生に初めてお会いしたのが歌枕さんのコンサート会場でした。福厳寺本堂での和歌劇「熊野」の物語でした。清らかな歌声と象徴化された背景に独特の衣装に身を包んだ歌枕さんを照らし出すスポットライトの小空間がしばし私を古の人間模様・時代に誘ってくれました。

■森町での和歌劇公演決定 

先の熊野の公演以来、和歌劇に魅了され歌枕さんの公演に何度か参加させてもらいましたが、来る十一月には「古事記うたもがたり」と題して森町で公演が予定されています。森町は遠江の国一宮の小国神社をはじめ八世紀初めに行基菩薩が開創した蓮華寺等歴史ある五か所の社寺を擁する歴史とロマンにあふれる街で、遠州の小京都と言われています。そんな町でのこの公演は誠に題材にふさわしい開催場所と確信し、森町公演の大成功を祈念しております。

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Interview vol.2  高橋正実(山口県)
~ピアニスト・作曲家・音楽教員として、自分の音楽を地元地域の方々に役立てたいと活動~

■ピアニストとして

医者で言うと大学病院のような大きな施設の医師でなく、地元に密着した町医者の様な身近なピアニストでいたいと思っています。また、ショパンが好きだということもあり、肌が触れ合うようなくらい小さな空間・サロンのようなところでのコンサートがしたいと考えていました。

歌枕との出会い

サロンというのが、ひとつのキーワードとしてあったので、いろいろ探している時に、うたまくら茶論を見つけてコンサートに訪れました。そしてはじめて歌枕さんの声を聴いた時に、この透き通った声はなんだろう、そして本当に純粋に音楽を発信されているということに感動しました。

■パートナー・フッペルピアノとの出会い 

昨年末、うたまくらピアノ工房で新生された九十年前のフッペルピアノがあると拝見し、どこかへ旅立つ前に弾いてみたいと思い訪問しました。語りかけるような音色と鍵盤に自分の指が溶けてしまうようなフィット感、自分の波長とあって、このピアノの魂を感じることができました。そして歌枕さんのご協力を得て、岩国にある古民家を再生したカフェ&ギャラリー光風堂に置き演奏しています。

■岩国中学校 音楽鑑賞会での和歌劇公演決定 

「和歌劇」は、歴史に詳しくない人間には、タイトルで敬遠してしまうが、実際に聴かせていただくと真逆で、わかりやすく日本人の遺伝子にある文化を肌で感じることができました。そして学校の子供たちに、知らない世界を見せてあげたいと思いました。戦後の教育は西洋中心で日本伝統文化が消えてしまいました。3年前の震災以降、再発見しようという動きがでてきていますが、伝統文化と今の生活がかけ離れ過ぎています。歌枕さんの公演は、古きものと新しいものを融合させて、今に生きる音楽公演だと感じ、六月二十日 岩国中学校での公演をお願いしました。

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Interview vol.1   杉山富士子(静岡県)

■沼津商工会議所 女性会会長へのご就任

はからずも 今年、沼津商工会議所 女性会会長になりました。沼津市政施行九十周年、女性会二十周年の節目で、沼津に生まれて働き、里の恵みにいかされ六十九歳になりました。多少なりともお役に立ちたいと思い、お引き受けしました。

歌枕との出会い

子育ての手が離れて、勤めながらも趣味の時間が持てた時に、万葉集にひかれ犬養孝「万葉のこころ」を手にしましたが、なかなか難しかったですね。その頃、静岡新聞で歌枕さんの紹介を目にしCDを取り寄せ、聴いたとたんにはまり、そして、京都・奈良への追っかけがはじまりました。

■静岡での公演

ちょうど六十歳・還暦の年、母校の同窓会講演に歌枕さんをお招きし「みやびうた」を演奏していただきました。その時に当時 静岡県文化財保存協会県東部支部長だった恩師 小野真一先生にも聴いていただくことができ、その後、先生の紹介で三島市大社で文化財保存協東部総会にて、続いて富士山本宮浅間大社で県総会にて奉納献歌をお願いし、和歌劇「富智の山」を上演していただきました。大変好評でした。

■二〇一三年十一月 京都・大覚寺公演

歌枕さんのお声に艶・深み・自信のようなものが加わってなお美しくなられたと思いました。伝説化された歌聖、西行なれど、その和歌の深情にどうしようもなく共感する。現代の世でも、様々な出来事、風景を日本人として言葉にしたい時に、西行、万葉集の日本語が口をついて出てきます。万葉を歌う歌枕さんに感謝します。

 「風のなびく 富士の煙の空に消えて ゆくへもしらぬ わが思いかな」

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